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- 投稿日:2016/02/28
マイナス金利、金融界の恨み節(/_;)
(金融情報) マイナス金利、金融界の恨み節
日銀のマイナス金利導入で、混乱が広がっています。短期市場は閑古鳥が鳴き、メガ銀
は「預金増は困る」と言い、地銀は計画見直しを迫られています。証券界の「貯蓄から投資
へ」も、この荒れる相場で霞む始末。2/21日経ヴェリタス、「放電塔」( 金融記者座談会 )の
メモです。
●日銀に言いたい「撤回してくれ!」 ♠ 日銀のマイナス金利導入で、市場参加者の混乱はい
や増すばかり。金融機関同士が日々お金を貸し借りし合う「無担保コール翌日物金利」の平
均値が17日、マイナスをつけた。さぞかし盛り上がっていると思いきや、その逆。市場残高は
16日以降、4兆5000億円程度と通常の4分の1で、閑古鳥が鳴いている。
・ マイナス金利で取引するのは外銀同士ばかりで、慌てているのは国内の銀行だ。メガバンク
にとって一番アタマの痛い問題は、膨らみ続けている預金をどう制限するか、だ。融資の利回
りが下がる一方で、預金金利の引き下げは限界だ。三井住友銀行の幹部は懸念する「いらない
預金の押し付け合いが始まる」と。
・いま各行は水面下で口座手数料などの研究を始めているけれど、顧客の反発も大きいだけに
結論はすぐには出なさそうだ。一方、住宅ローン。シェアを落とし続けてきた大手銀が腹を決
め金利競争に打って出た、その矢先だった。先陣をきって変動金利型を引き下げたのは、東京
三菱UFJ銀行とみずほ銀行だった。
・ 地銀からも「来期の数字は壊滅的だ。どうすりゃいいんだ!?」の恨み節が聞こえる。収
益の低下が避けられず「中期経営計画」の見直しに慌てて手をつけた地銀も多い。「前提が
狂った!」と頭を抱え、金利などの係数を一から作り直している。大手運用会社幹部はぼや
く「日銀に撤回してくれ、と言いたい」。
●売れる家庭用金庫 ♠ 安全性の高い債券などで運用する投資信託「 マネー・リザーブ・ファ
ンド(MRF) 」が苦境に立たされている。マイナス金利が短期の公社債投信を存亡の機に追い
やるなんて日銀には頭になかったのではないか? ある証券幹部は「株価の荒い動きで『貯蓄
から投資へ』なんていうお題目は霞んでしまった」と嘆く。
・ 営業マンも新規の金融商品を勧めるどころか顧客の不安を取り除くアフターケアで精いっぱ
いだ。企業の資金調達にも支障を来している感じだ。変動金利の大手向けシンジケートローン
の組成が一旦仕切り直しになった例が相次いだ。個人投資家もこの相場波乱で打撃を被ったの
ではないかと些か心配だ。
・ カブドットコム証券では日経平均株価が760円急落した12日、「追い証」の件数が2012年以
降で最大となったそうだ。昨年までの強気相場で「リスク不感症」になっていた人も多いのか
も。逆に「マイナス金利バブル」で沸いているのが、金などを扱う企業と現金や貴金属を保管
する金庫を扱うホームセンター。
・ 島忠ではここ1カ月で前年同月の2.5倍も売れた店があったという。このマイナス金利は「劇
薬」なだけに「効用」もないと困る。19日の衆院予算委員会で黒田総裁は「金利の面ではすで
に効果が表れている」と強がったが、副作用ばかりが目立つ。開けたのがパンドラの箱かもし
れぬ…