スタッフブログ
- 事業承継
- 投稿日:2016/03/19
老舗優良企業を譲った(元)経営者のお話を聞きました。
自社を他社に譲る - 苦渋の決断です。 しかしながらその選択肢だけが雇用と
事業を守ることになる
そんな体験をされた経営者の体験報告を18日にお聴きしました。
ご自身が3代目でいらっしゃった老舗優良企業とその優良企業を譲り受けた企業の
記事は下記です。
昨年のある調査.大阪府内の中小企業の7割の経営者が「後継者が不在・未定」と応え
たとのこと.経営者は、企業を「血縁である誰かに承継する・社員に譲る・他社に譲る」こ
れらのどれかで永続させることになります。
今回お聞きした経営者の方は、10年以上もがいたとのこと。一人娘の方は、両親の
苦悩を見ていて、承継を断り、社員の中にも適任者がいなかった…。( 債務保証を理解
し、経営者の器でもある - そういう方がいなかった )結果、M&Aの仲介業者と何度も
会って信頼ができるかどうかを確かめ、雇用・社名・取引先を守り、経営理念を理解し、
業種としても近い上場会社と出会い、決断し、今、幸せを感じているというお話でした。
苦悩で本当に倒れて、寿命かもと思ったこともあるそうですが、ご苦労が報われたことを
お祝い申し上げたく思いました。
本日は以上です。
◎
「1」 後継適任者がいなかったある優良企業。その当時50歳の経営者が考えたこと.
「2」 解散は社員・取引先に迷惑が掛かる.承継でなく、譲渡に舵を切るまでの経緯.
「3」 M&Aの仲介会社との出会い、10年後の再会、譲渡まで辛かったことと今の感謝.
「4」 譲り受ける企業の留意点 – 双方の事情、理念、条件と社会貢献の姿勢が大切.
「5」 譲渡後の社員の反応. 取引先からは叱責でなく高評価. その他にもこんな声・・
「6」 後継者不在なら秘密裡にとにかく動け! 譲る側も資産より社員の生活を第一に!
講師 中尾 敏彦氏(なかおとしひこ) 株式会社 向井珍味堂 会長・最高顧問
大卒後、大手化学系専門商社に就職、商社マンとして鍛えられるも大企業の歯車の
1枚として擦り減っていく自分に疑問を持ちつつあった. その頃、老舗企業の経営を
されていたご両親の健康常態が、悪化. そんな状況下、ご実家の承継を決意.
きな粉・香辛料・青のりのメーカーとして高評価を受け、業績も好調.きな粉は
ハーゲンダッツ社からも購入されている.
一方、承継者の不在に自社の将来が描けず、苦悩の日々.1999年にM&A仲介の会社の
セミナーに出席、その後紆余曲折もあったが、2013年、その仲介会社の尽力により株式
会社ヒガシマル( 鹿児島県 食品メーカー )に出会い、自社を譲渡した.
譲渡を決意してから財務担当の奥様との二人三脚が10年、当時を振り返りながら事業
譲渡の難しさと留意点を多くの経営者に伝えている.
昭和30年.京都大工学部卒.奥様と一女.大阪市平野区在住.