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記事「給与が増えても手取りは減少」

会社員「給与が増えても手取りは減少」…日本の未来は絶望しかない

 

10/20(水) 5:01配信   幻冬舎 GOLD ONLINE

  

 

頑張って、頑張って仕事をして、やっと昇給を果たしたのに、なぜか手取りは増えない……そんな不思議なことが起きているといいます。その理由を探っていくと、絶望的な日本の姿が見えてきました。

 

給与30万円の会社員…手取り額に落胆

 

――すくなっ! 会社員であれば、実際に口座に振り込まれた給与の金額をみて、思わず、そのように口にしたことはあるでしょう。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(平均年齢43.2歳)の残業代などを除く平均月給(所定内給与額*)は30万7700円。そこから引かれるのは、まずは税金。

 

独身であれば、住民税が2万円、所得税が8,000円ほど。結婚して子どもがいれば、住民税は1.4万円、所得税は4,700円ほど引かれます。 *労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額((1)時間外勤務手当、(2)深夜勤務手当、(3)休日出勤手当、(4)宿日直手当、(5)交替手当)として支給される給与をいう。

 

さらに給与からは社会保険料(「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」、さらに40歳以上であれば「介護保険料」)が天引きされます。

 

「健康保険料」は加入する健康保険によって負担額が異なります。会社員であれば、中小規模の会社が加入する「全国健康保険協会」か、大規模の会社が独自に運営を行う「健康保険組合」。

 

「全国健康保険協会」は都道府県ごとに保険料率が異なり、令和3年度、最も高いのが「佐賀県」で10.68%、最も低いのが「新潟県」で9.50%。 全国平均は10%程度です。

 

実際の保険料は被保険者の収入に応じて50等級に単純化した「標準報酬月額」に当てはめて計算します。自己負担額は「標準報酬月額×都道府県別の保険料率÷2」で求めることができます。 「健康保険組合」は全国に1400弱ほどあり、被保険者とその家族と合わせると、全国民の4分の1ほどが加入しています。

 

保険料率は会社の被保険者数や標準報酬月額などを考慮して3~13%の間で組合ごとに決められ、平均は9.2%程度。また負担割合は原則折半となっていますが、組合ごとに負担割合を決めることができます。

 

「介護保険」は40歳から健康保険と合わせて保険料が徴収されます。40~64歳までの介護保険料率は「全国健康保険協会」で全国一律1.80%(令和3年度)、「健康保険組合」の場合は各組合で設定されています。 「厚生年金保険料」は、国民年金の上乗せとして加入するもの。

 

国民年金の保険料は月額1万6610円(令和3年)、厚生年金保険の保険料率は現在18.3%、実質負担率は9.15%です。標準報酬月額は、第1級の8万8000円から第32級の65万円までの全32等級に区分されています。

 

「雇用保険料」は会社員の雇用を守るもので、保険料率は一般事業の場合は0.9%で、会社が0.6%、従業員は0.3%を負担します。 結局、額面30万円であれば、なんだかんだいって、独身であれば手取りは23万円ほど。結婚して配偶者を扶養していれば23.4万円、さらに子どもが1人いれば23.8万円、子どもが2人なら24.2万円ほどになります。住んでいる地域や家族構成などにより、給料から天引きされる額は異なりますが、大きく変わることはありません。

 

高齢化の進展で社会保障増…手取り額は減るばかり

――給与から色々と天引きされるのは仕方がない。給与さえ上がれば…… そんな会社員の思いも叶わないであろうことは、多くの人が知るところ。

 

国税庁『民間給与実態統計調査』によると、2020年、会社員の平均給与は平均433万円。時系列で見ていくと、バブル崩壊後、不良債権問題、ITバブル崩壊、リーマンショック……と日本経済が浮上するきっかけはなく、会社員の給与は前年比マイナスを連発。現在の給与水準は、バブル期と同等で、「会社員の給与は30年間上がらない」という状況です

 

(関連記事: 『会社員の「平均給与」2年連続減…4割が「年収300万円以下」の衝撃』 )。

 

さらにもうひとつ衝撃的事実。同じ給与でも手取り額が減っている、という事実です。

 

――昇給したのに、手取り額が減っている! そんなことを聞いたことはないでしょうか? なぜそのような事態が起きているかといえば、単純な話、天引きされる金額が増えているからにほかなりません。

 

総務省『家計調査』で勤労世帯の家計を例に、実収入と非消費支出(所得税や住民税などの直絶税や公的年金保険料や健康保険料、介護保険料などの社会保険料)の割合の変化を見ていくと、2020年は18.19%。それが2010年は17.42%、さらに2000年は15.70%。20年ほどで約2.5%も負担が増えているのです(関連記事: 『 年々負担が重くなる…家計における「税金+社会保険料」率の推移』)。 非消費支出の増加の要因は、社会保険料の増加によるところが大きいと考えられます。消費高齢化に伴い、社会保障負担は増加。

 

全国健康保険協会『保険料率の変遷』によると、2000年代だけみても、「健康保険料」は8.20%から10.00%に増加。

 

さらに2000年からは介護保険料が天引きされるようになり、負担は大きく増えています。 日本の高齢化を止めることは難しく、社会保険料の負担が減ることは難しいことだと想像できます。であればそれ以上に給与が増えていくしか、手取り額を増やす方法はありません。しかし、この30年の平均給与の推移を見ると、絶望するしかない……日本はそのような状況です。

 

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