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- 投稿日:2012/11/28
時価よりも低い価額で土地等を譲渡した場合(法人⇒個人)
みなさんコンバンハ、冨川です!
ではでは、今日もはりきって
ブログのスタートです
法人から個人に対して
その法人の所有する土地・建物を
譲渡する場合には、
それぞれどのような取扱となるのでしょう?
法人から個人に対し土地等を譲渡した場合には
法人税・所得税・消費税が関係してきます。
<法人税>
法人が時価よりも低い価額で個人に対し
資産の譲渡等を行った場合において、
その時価と譲渡対価との差額が、
実質的に贈与したと認められる場合には、
① その個人が役員等以外の場合
その時価と譲渡対価の差額を
その個人に対する寄付金として
取り扱われます。
② その個人が役員等の場合
その時価と譲渡対価の差額を
その者に対する給与とみなされます。
この場合において、役員への給与と
みなされた金額が、定期同額給与、
事前確定届出給与、利益連動給与
のいずれにも該当しない場合、
また該当した場合においても
その給与の額が不相当に高額と
認められる部分の金額は
法人税額の計算上損金の額に
算入されませんので注意してください。
<所得税>
① その個人が役員等以外の場合
法人から贈与により取得した金品は
一時所得として課税されます。
ただし、業務に関して受けるもの及び
継続的に受けるものはその他の所得として
取り扱われます。
② その個人が役員等の場合
給与とみなされた金額は
給与所得として課税されます。
<消費税>
土地以外の資産については、
低額譲渡等関係なく、時価ではなく
対価として収受した金額が
課税の対象となります。
ただし役員が法人から著しく低い価額で
資産の譲渡を受けた場合には、
その資産は時価により譲り受けたものとして
課税されます。
この場合の著しく低い価額とは、
譲渡金額が時価の50%未満である場合
を言います。
また、土地は非課税となります。
**参考**
(寄附金の損金不算入)
法人税法第三十七条
内国法人が各事業年度において支出した
寄附金の額(次項の規定の適用を受ける
寄附金の額を除く。)の合計額のうち、
その内国法人の当該事業年度終了の時の
資本金等の額又は当該事業年度の
所得の金額を基礎として
政令で定めるところにより計算した金額を
超える部分の金額は、
当該内国法人の各事業年度の
所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
8 内国法人が資産の譲渡又は
経済的な利益の供与をした場合において、
その譲渡又は供与の対価の額が
当該資産のその譲渡の時における価額
又は当該経済的な利益の
その供与の時における価額に比して低いときは、
当該対価の額と当該価額との差額のうち
実質的に贈与又は無償の供与をしたと
認められる金額は、前項の寄附金の額に
含まれるものとする。
(債務の免除による利益その他の経済的な利益)
法人税法基本通達9-2-9
法第34条第4項《役員給与》及び法第36条
《過大な使用人給与の損金不算入》に規定する
「債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、
次に掲げるもののように、
法人がこれらの行為をしたことにより実質的に
その役員等(役員及び同条に規定する
特殊の関係のある使用人をいう。
以下9-2-10までにおいて同じ。)に対して
給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすもの
(明らかに株主等の地位に基づいて取得したと
認められるもの及び病気見舞、災害見舞等のような
純然たる贈与と認められるものを除く。)をいう。
(平19年課法2-3「二十二」により追加、
平22年課法2-1「十八」により改正)
(2) 役員等に対して所有資産を低い価額で
譲渡した場合におけるその資産の価額と
譲渡価額との差額に相当する金額
(一時所得の例示)
所得税法基本通達34-1
次に掲げるようなものに係る所得は、
一時所得に該当する。
(昭49直所2-23、昭55直所3-19、直法6-8、
平11課所4-1、平17課個2-23、課資3-5、
課法8-6、課審4-113、平18課個2-18、
課資3-10、課審4-114改正)
(5) 法人からの贈与により取得する金品
(業務に関して受けるもの及び
継続的に受けるものを除く。)
(経済的利益)
所得税法基本通達36-15
法第36条第1項かっこ内に規定する「金銭以外の物
又は権利その他経済的な利益」
(以下36-50までにおいて「経済的利益」という。)には、
次に掲げるような利益が含まれる。
(1) 物品その他の資産の譲渡を無償又は
低い対価で受けた場合におけるその資産の
その時における価額又はその価額と
その対価の額との差額に相当する利益
(譲渡等の対価の額)
消費税法基本通達10-1-1
法第28条第1項本文《課税標準》に規定する
「課税資産の譲渡等の対価の額」とは、
課税資産の譲渡等に係る対価につき、
対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭
又は金銭以外の物若しくは権利その他の経済的利益の額をいい、
消費税額等を含まないのであるが、
この場合の「収受すべき」とは、別に定めるものを除き、
その課税資産の譲渡等を行った場合の
当該課税資産等の価額をいうのではなく、
その譲渡等に係る当事者間で授受することとした
対価の額をいうのであるから留意する。
(平9課消2-5により改正)
(注) 同条第1項ただし書又は
第2項《資産のみなし譲渡》の規定により、
法人が役員に対して著しく低い価額で
資産の譲渡若しくは贈与を行った場合又は
個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で
事業の用に供していたものを家事のために消費
若しくは使用した場合には、当該譲渡等の時における
その資産の価額により譲渡があったものとされる。
(著しく低い価額)
消費税法基本通達10-1-2
法第28条第1項ただし書《課税標準》に規定する
「資産の価額に比し著しく低いとき」とは、
法人のその役員に対する資産の譲渡金額が、
当該譲渡の時における資産の価額に相当する金額の
おおむね50%に相当する金額に
満たない場合をいうものとする。
なお、当該譲渡に係る資産が
棚卸資産である場合において、その資産の譲渡金額が、
次の要件のいずれをも満たすときは、
「資産の価額に比し著しく低いとき」に該当しないものとして取り扱う。
(1) 当該資産の課税仕入れの金額以上であること。
(2) 通常他に販売する価額のおおむね
50%に相当する金額以上であること。
ただし、法人が資産を役員に対し著しく低い価額により
譲渡した場合においても、当該資産の譲渡が、
役員及び使用人の全部につき一律に又は
勤続年数等に応ずる合理的な基準により
普遍的に定められた値引率に基づいて
行われた場合は、この限りでない。
本日はここまで、
本日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました
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